はやみねかおる『めんどくさがりなきみのための文章教室』の感想
小説などの物語を書いてみたいと思ったことはありませんか?
私は物語の読書習慣はほとんどなかったのですが、あるとき小説を書いてみようと思い立ち、10万字以上の物語を書き上げたことがあります。
書きながら、小説や物語の書き方に関する本を何冊も購入して参考にしました。
その中で、この”はやみねかおる”さんの書いた『めんどくさがりなきみのための文章教室』は、これから初めて小説を書く人に特におすすめできる本です。
もちろん、すでに小説を書いている人にも、基本の確認や初心の振り返りなどになると思います。
本の内容は中学2年生の健(たけし)と猫のダナイとの会話形式で、前半では文章の書き方を、後半では小説の書き方を教えてくれます。
さまざまなトレーニングがある
この本の「第1章「何を書いていいかわからない」を一瞬で解決する方法」の中では、さまざまなトレーニングが紹介されています。
その中には、
- 読書
- 200字以上の日記
- 好きな本を写す
などがあります。
文章力を上げるトレーニングでもあり、小説を書くためのトレーニングでもあるようです。
本書には、トレーニングの理由や効果が詳しく書かれています。
文章の基本がわかる
本書では「文は短く」「ひらがな、カタカナ、漢字を使いわける」など、文章の基本を知ることができます。
また本書には、個性的な文章についても書いてあります。
「文章の個性」は基本を守ることから、ということだったと思います。
そして「個性」とは、「どうしても出てしまうもの」なのだそうです。
このように文章の基本が載っており、さらに小説の書き方も載っている本書は、「今から小説を書こうとしているから、文章の基本も確認したい」という人におすすめです。
小説を書くのに必要な「たった1つのこと」について
第3章の始めに、「小説を書くのに必要な「たった1つのこと」って?」という項目があります。
その答えをここに書いて良いのかわからないので、それは書きません。
私が小説のようなものを書いていたときに、その「答え」を持っていたのかわかりません。
この「答え」がないから、次の物語を書くことができないのかと考えたりします。
一度だけ書き上げた10万字以上の小説(のようなもの)は、書いているときにその「答え」を持っていたから書くことができたのかもしれません。
私はこの項目を読んでいると、少し胸が苦しくなる感じがします。
もっと気楽に小説や物語を書き出したいなと思ってしまいます。
ですが、それこそもっと気楽に、「書きたい」か「別に書きたいとは思わない」かで判断できることなのかもしれません。
最後に
「作家は人に残された最後の職業」などと聞きますが、簡単な仕事ではないと思います。
例え仕事にするのは難しくとも、小説を書きたいなら、とりあえず書いてみると良いと思います。
私の場合、書くのは大変でしたが、書いている途中も読み返すときも楽しかったです。
自分の理想のキャラクターを登場させて、好きなように動かす。
または勝手に動き出したキャラクターを書き留めてみる。
執筆作業へ一歩を踏み出すのに、本書に背中を押してもらうのも良いと思います。